臨床栄養学の過去問

23-132 先天性代謝異常に関する記述である。正しいのはどれか。

  • (1) クレチン病では、抗甲状腺薬を用いる。
  • (2) フェニルケトン尿症では、乳幼児期の血中フェルアラニン濃度を20mg/dLに維持する。
  • (3) ウィルソン病では、銅のキレート薬を用いる。
  • (4) メープルシロップ尿症では、分枝(分岐鎖)アミノ酸を補充する。
  • (5) 糖原病Ⅰ型(フォンギールケ病)では、低糖質食とする。
 
解説  (1) × 先天的な甲状腺機能低下症を、クレチン病という。クレチン病では、甲状腺ホルモンの投与が行われる。
(2) × フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンをチロシンに変える酵素が欠損する。このため、甲状腺ホルモンの材料となるチロシンが不足し、クレチン病のような症状が起こる。また、メラニン色素が不足することで、白い皮膚・赤毛となり、カビ様尿臭を示す。血中のフェニルアラニンは増加する。診断後、乳児には、フェニルアラニンが制限された低フェニルアラニンミルク(ロフェミルク)が与えられ、血中フェニルアラニン濃度を2~4mg/dLに維持するように調整される。
 
(3) ○ ウィルソン病は、先天性銅代謝異常症である。銅の排泄障害とセルロプラスミン合成障害により、銅が肝臓、脳、角膜、腎臓等に過剰に沈着し、その結果、肝障害や脳障害を引き起こす。銅排泄促進薬(キレート薬)による治療が第一選択となる。
 
(4) × メープルシロップ尿症では、分枝(分岐鎖)アミノ酸を制限する。分枝(分岐鎖)アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)からアミノ基転移反応によりアミノ基が外れ、分枝α-ケト酸となる。メープルシロップ尿症では、この分枝α-ケト酸を代謝する酵素が欠損する。このため、分枝(分岐鎖)アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)や分枝α-ケト酸が体内で増加し、代謝性ケトアシドーシスを発症する。尿や汗はメープルシロップ臭を呈する。診断後、乳児には、分枝アミノ酸が制限された低分枝アミノ酸ミルクが用いられる。
(5) × 糖原病Ⅰ型(フォンギールケ病)では、高糖質食とする。糖原病Ⅰ型は、グリコーゲンを代謝する際に必要な酵素が先天的に異常となっているため、グリコーゲンが代謝されずに臓器に蓄積した疾患である。血糖値が低下した時にグリコーゲンが分解されないため、血中のグルコースは低下し、低血糖になりやすくなっている。
解答 (3)

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